先輩体験談

オーストラリア

始まりは挫折から。 めげずに励む、英語でパティシエ修行

Profile

N.T.さん

渡航先
ニューサウスウェールズ州
学校
TAFE NSW
在住都道府県
山形県

英語とパティシエ、2つの夢を叶える進路が海の向こうに

海外進学するきっかけは、小学5年生のときに通い始めた英会話で英語を好きになったことです。内気な性格でしたが、英会話を習う内に積極的な部分が増えていき、海外で自分の英語を試してみたいという気持ちが芽生えました。その流れで英語をもっと勉強したくて英語学習に重点を置いている高校に進学したのですが、その時はまだ海外へ進学しようとは思っていませんでした。転機となったのは高校1年生の終わり頃です。進路指導の時間に国内大を調べたときにピンと来る大学がなかなか見つからず、海外も視野に入れようと調べていたところ、ベネッセ海外留学センターにたどりつきました。カウンセリングを受け、これだ!と思ったのがオーストラリア政府の運営する職業訓練専門のキャリアカレッジ「TAFE」です。私は海外で英語を使いたいという夢だけでなく、パティシエになりたいという夢も持っていました。パティシエになるためのスキルが学べて、英語で勉強できるTAFEは自分に最適だと思い、海外進学を決めました。

もどかしさと悔しさをバネにした語学学校

高校卒業後の4月に渡航し、TAFEへ入学できる英語力をつけるために現地の語学学校に入学しました。ただ、念願の留学生活が始まったというのに入学早々ショックな出来事がありました。語学学校では最初にクラス分けの英語力測定テストがあるのですが、私はテストの結果が散々で一番下のクラスになってしまったのです。高校の英語は真面目に勉強してきていましたが、それではまったく歯が立たないということを思い知らされました。授業は進むスピードが早く、何か話そうと思って考えている内に違うトピックに話が切り替わっていて追いつけないことがほとんどでした。最初の一ヶ月は言いたいことがまったく話せず、毎回授業が終わるころにはもどかしさだけが残りました。今まで頑張ってきたはずの英語が全然できない!という悔しい気持ちがバネとなって、放課後は図書館へ通って教科書を復習したり、英英辞典を引いて単語を覚えたり、ひたすら勉強しました。辛い時期でしたが、ホームステイ先のファミリーが支えてくれたことはとても心強かったです。勉強が終わってステイ先に帰った後は、ホストファミリーと一緒に話しながら夕飯を食べたり、ホストファザーと夕飯の後も会話をたくさんしたり、ホストファミリーの暖かい心遣いに元気づけられました。ホストファミリーとの交流は英会話のトレーニングにもなりました。猛勉強の甲斐があり、渡航して3ヶ月位経つ頃には言いたいことが英語で出てくるようになってきて、12月にはTAFEに入学できるレベルまで達することができました。

ひたすら実習、ハードだけど充実のTAFE生活

2015年の2月からTAFE NSW RYDE校Patisserieコース(パティシエを育成する製菓コース)に入学し、住まいもホームステイからシェアハウスに引っ越して生活ががらりと変わりました。TAFEの授業は想像以上にハードです。1年目は製菓の技術を学ぶ実習型の講義が多く、座学はほとんどありません。授業は週3日で、タルトやパイなどの、小麦をベースにバターや卵で練った生地を使うお菓子であるペイストリーを作る日、アイスクリームなどのデザートを作る日、お菓子ではなく普通の料理を作る日、というように日によって制作するものが分かれています。ペイストリーの授業では1日に6種類くらいのお菓子を作ることもあります。どの実習でも初めに先生が作業の指示を出しますが、英語のスピードが早く、聞き取るのが大変です。聞き逃してしまってクラスメイトに聞くこともありますが、そうすると皆より作業開始が遅れてしまうので、指示を聞き漏らすまいと必死で、ひとときも気が抜けません。また、実習だけでなく6週間に1度テストもあります。先日は、自分が作るお菓子を3つ考えてワークフローを事前に提出し、試験当日にワークフロー通りに作って、その過程と完成品を総合的に評価されるテストがありました。テスト前には重い調理道具キットをシェアハウスに持ち帰りひたすらお菓子作りの練習をします。練習作品が食べきれない程できてしまうのでルームメイトや友人に配るのですが、喜んでくれるので嬉しいです。大変なことも多い毎日ですが、できあがったお菓子を見ると嬉しくて、もっと頑張ろうという気持ちが湧いてきます。 日本の製菓のレベルが高いからか、どうして日本で勉強しなかったの?と聞かれたことがあります。海外で英語を使いたいという夢も叶えたかったからというのもありますが、オーストラリアはマルチカルチャーの国なので、今まで知らなかった食材に出会えたり、本場フランスのパティシエがお店を出していたり、日本では知り得なかったことを日々知るチャンスにあふれていて、パティシエになるための技術だけではなく色々なことが学べます。そういった点でもTAFEに来た意義は大きく、海外進学してよかったなと思っています。将来のパティシエを目指して今日もがんばります。

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